蓄光の原理
蓄光の原理
蓄光とは
「蓄光」は太陽光や人工照明の光をエネルギーとして蓄積し、その蓄積したエネルギーが放出され光を出す現象です。粉状の顔料から様々な製品に加工されます。

MECHANISM
蓄光顔料が光る3つのステップ
1. 太陽や蛍光灯の光エネルギーを吸収
蓄光顔料は、光エネルギーを吸収する性質があります。光エネルギーを吸収することで、電子のエネルギーが高くなり、「励起状態」(物質的に不安定な状態)になります。
2. 吸収した光エネルギーを光として放出
不安定な状態になった蓄光顔料は、「基底状態」(物質的に安定な状態)に戻ろうとします。このとき、励起状態から電子がより低い軌道へ移る際に、発光現象(光を放つこと)が起こります。
3. エネルギーを吸収前の基底状態に戻る
蓄光顔料は、この吸収と放出を繰り返すことで、光を蓄え、暗いところで光り続けます。(基底状態:安定な状態に戻る)

蓄光材の励起波長
蓄光材は照射される光源の種類によって、紫外線を蓄える時間が異なります。蓄光材はどんな波長の光にも反応するわけではなく、励起波長と呼ばれている、蓄光体に反応する波長域があります。蛍光灯には反応しますが、LEDでは蓄光しにくいのはLEDの発光波長が反応しにくいものだからです。蓄光顔料の励起波長は200~450nm(ナノメートル)と言われています。紫外線の発光波長は、10〜400nmであり、蓄光顔料の励起波長が紫外線領域内に在るため、最も適しているからです。蛍光灯の発光波長は380~780nmであるため、蓄光に問題はありませんが紫外線よりも時間がかかります。
